テレビと食卓

『子供と大人が向き合う場所』という建築のコンペをみつけて、ふと頭に浮んだことがあります。私が小さい頃(かれこれ30年以上も前)は、一家にテレビは1台でしたから、宿題を終わらせ、お手伝いをしたりして、親の機嫌を伺いつつ、「今日は7時からアニメが見たい!」と言うと、「今日は、いいよ」と、父はしぶしぶ、CMの間だけ、自分の番組を見るためにチャンネルを変えたものです。今は、大人は我慢しなくても、子供と同じように、好きな時間に好きな番組を楽しむことができます。
昔と変わらないことは、ダイニングに食卓が1つしかないこと。テレビ、トイレ、電話などは、親と子それぞれに、または家族一人一人にあてがわれている時代に、何故か食事をする場所は1つです。様々な趣味趣向を持つ、ばらばら家族がダイニングに集まり、どんな話題で盛り上がればいいのでしょう。少し極端すぎるかもしれませんが、これからの住まいを考える上で、ポイントとなるかもしれません。
先日、豊田利晃監督の『空中庭園』という映画を観ました。原作は角田光代。家族映画だというのに、少しサスペンス・スリラーのような不気味さがあり、終始、丸い食卓を囲む、ちぐはぐな家族の状態が絶妙に表現されていています。原作を読んでみると、娘、父、母、祖母、(なぜか父の)愛人、息子が各々、利己的に語る家族の生活が横並びにおさめられていて、家族には、上下も中心もないと言っているようです。映画を見終えた後、「母親の来ている服がいつも薄ピンク色だったのは何故?」と夫にたずねると、「幻想の世界に生きている証拠で、最後は現実の世界に戻ってきたから、血の雨に打たれて真っ赤になったんだ」と言われました。多分、母親は再生したんだろうと思います。
さて、コンペ案ですが、テレビを一家に1台にして、親子でチャンネルを奪い合う、そんなのも懐かしくて面白いなぁ・・・などと考えていたら、コンペの締め切りは今日でした。残念。

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 度々このブログに登場するアレッシーの『canaglia』君。イタリヤ語を訳してみると『悪党』と書いてあったけど、ほんとかな。

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