カプリ島

建築家、鈴木了二さんの著書である、建築零年に「海と建築」という章があります。映画と建築の関わりについて、ジャン・リュック・ゴダール監督の「軽蔑」という映画を題材に書かれています。この映画では、イタリアのチネチッタ撮影所、ローマのアパート、カプリ島のマラパルテ邸という、主に3つの建物において、ストーリーが展開していきます。ゴダールの映画は難解なので何回見ても意味が分からないのですが、鈴木さんの文章を読み、建築を通して少しはこの映画を理解することができました。学生時代にこの映画を観たとき特に記憶に残ったのは「マラパルテ邸」。モラヴィアの原作ではカプリ島のあちこちで展開するシーンを、ゴダールは、「砂浜は屋上に、広場は階段に、ホテルはホールに・・・」といったように、全てこの建築に読み換えて描いています。確かにこの建築、岬の先端に建ち、外観は真赤に塗装され、だだっぴろい屋上と建物幅分の階段でできており、その住宅らしからぬ佇まいからして、鈴木さん曰く、すべてが可能な「劇場」、つまり完結した「世界」なのかも知れません。それを意図したのが建築家リベラか?というと、どうも施主のマラパルテと反りが合わず、途中で設計を放棄したのだとか。確かに、実際の建築は、リベラの初期案とはまるで異なり、プランも内包されている空間も、お世辞にも建築と呼べるものではない、建築家なしの建築という訳です。建築界で「マラパルテ邸」が注目される30年以上前に、ゴダールの映画に取り上げていること自体驚きですが、ゴダールによって、建築に昇華されたとも言えそうです。





それにしても、カプリ島の風景はなんて眩しいんでしょう!13年前に妹とイタリアを旅し、電車でナポリに着いたとたん、あまりにも治安が悪いので素通りして、フェリーでカプリ島に渡りました。島に着くと、すぐにホテルの客引合戦に出くわし、一泊120,000リラで交渉成立(2人で12,000円は安い!)。港からフニクラ(ケーブルカー)に乗ってホテルへ。ここカプリ島は、イタリア人にとって週末を過ごすリゾート地。ローマやミラノと違って、みんなのんびりしています。我々が着いたのは日曜だったので、イタリア人をはじめ観光客の大半は帰り、夕食も翌日の朝食も貸切状態でした。翌日は船に乗って、青の洞窟を観光。朝日が洞窟に差し込む時間帯だけ海水が青く光るので、朝の便は日帰りの観光客で一杯です。パックツアーでなく、女二人の気まま旅だったので、もう1泊したいところだったのですが、ポンペイに立ち寄り、その日中に電車で4~5時間かけてローマに辿りつかなくてはならないので断念しました。カプリ島は、もう一度訪れたい場所の一つです。もちろん、次回は「マラパルテ邸」を訪ねてみたいです。カプリ島へは、ナポリからより、ソレントから船で行くのがおすすめ。街全体が石とレンガでできてるんじゃないか?というような、古き良き時代の残る街です。ただし、坂(というか絶壁)が多いので、手荷物は少なめに。
当分、岐阜の住宅が完成するまで、海外旅行はお預けです。あー、レモネジェラートが恋しい。



















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